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選ばれた人間に何ができるか 何だってできる

特異点2069

~冒疾の果て編~

2022年12月初版発行 460円
うだりお 表紙 電子書籍 長編小説 特異点 2069 冒疾の果て 未来 記憶実験 遺伝子操作 超人

物語

2038年4月、「ヒトの遺伝子操作に関する法律」、通称「フジサキ法」が施行される。これにより、遺伝的疾病の回避を目的とした遺伝子操作が可能となる。

2042年1月、「先天的遺伝子異常における医療的遺伝子操作に関する法律」が施行される。これにより、これまで難病とされてきた先天性疾患の治療が可能となる。

翌43年、「フジサキ法」が改正され、遺伝的疾病の回避目的以外でも、生殖細胞系列の遺伝子操作が可能となる――企業が子どもを作る時代の到来である。

時は2069年。国の人口が8000万人を切り、そのうちの半分以上が70歳以上の高齢者という時代。フジサキ法の成立により、企業が作り出した人間である『企業産』と、自然交配によって生まれた『自然交配型』の2種類の人間が入り混じる社会で、フジサキ法の生みの親である藤崎幸大は、人類史上もっとも神に近い企業産人間『超人マカ』の誕生に胸を躍らせていた。ところが世話になっていた久米の死をきっかけに、藤崎の過去が少しずつ周囲に知られていく。藤崎には誰にも言っていない秘密があった。それは、フジサキ法は藤崎が作ったものではなく、ネット上の架空の人物『アヤンクマル』からの贈り物だったということ。アヤンクマルは言った、「超人を作りなさい」と。その言葉通り、人生をかけて超人の開発に取り組んできた藤崎は、『超人マカ』の誕生を目前にして、再びアヤンクマルの影に怯えていく。

アヤンクマルは実在するのか。実在するとしたら、一体誰なのか。

迫りくるシメイジングバイルスの脅威。マカの異変。そして頻発する不可解な停電……。

健楼会、大企業の重役、政治家、エリート政策立案士と、国を動かす力を持った人間たちによる権力闘争の末に、藤崎が見つけたこの世界の真理とは何だったのか――。

本作は「特異点2069~シメイジングバイルス編~」に続く第3弾。特異点の世界観を存分にお楽しみください。

※ギャラリーにて使用される画像の著作権は各著作者に帰属します。

登場人物

うだりお 長編小説「特異点2069~冒疾の果て編~」イメージ画像 藤崎幸大
藤崎幸大

SmartGeneticsJapan取締役。健楼会相談役。元厚労省大臣官房審議官・医薬衛生局長。フジサキ法の制定により厚労省を追われ、現在は社において超人プロジェクトを指揮する。車椅子。論理的で高慢。時間を正確に測れる。

うだりお 長編小説「特異点2069~冒疾の果て編~」イメージ画像 九鬼清志郎
九鬼清志郎

SmartGeneticsJapan取締役。健楼会理事。藤崎幸大の右腕。藤崎とともに超人プロジェクトに携わる。寡黙で真面目。冷静沈着。警戒心の塊。藤崎同様に足が悪い。藤崎に従順だったが、停電を機に豹変する。

うだりお 長編小説「特異点2069~冒疾の果て編~」イメージ画像 あゆむ
栗田あゆむ

SmartGenetics産GMC。集中力、暗記力、数学力、総合IQの向上が遺伝設計された汎用タイプ。生前の記憶を持つ『神の子』。アヤンクマルが見えると口にする。

うだりお 長編小説「特異点2069~冒疾の果て編~」イメージ画像 アヤンクマル
アヤンクマル

VRネット上の架空の人物。2023年のナイリーズサーバー事故を引き起こした犯人と噂されている。

注)GMCはGenetically Manipulated Childの略

※画像は本作品におけるイメージです。被写体と本作は関係ありません。

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作者からひとこと

特異点シリーズも今回で3作目となりました。本作では、特異点の世界の始まりを書こうと思っていました。特異点の世界の始まり――。それはフジサキ法の制定であり、その後に企業がやってきたことです。企業は何をしてきたかというと、『ヒト』を作ってきたんですね。とても倫理的とは思えない世界、それが特異点の世界です。
本作では、企業の代表として人工胎生業界の雄『スマートジェネティクスジャパン』を取り上げました。そしてそこの重役にフジサキ法の生みの親である藤崎幸大を置くことで、世間一般からは見えにくい「社会を動かしている力」を私なりに考え、描きました。
タイトルにもあるとおり、本作のテーマは嫉妬です。嫉妬は私たちから切り離せない根源的な感情の一つだと思いますが、上手に付き合わないと人間関係を破壊しかねない危険な感情でもあるかと思います。藤崎は自分の中の嫉妬に気が付きました。でもそれにより自分の言動を改めたかというと、そうではありません。「そんなことはどうでもいいんだ」と無下にしました。なぜならこの世界は「虚構」だからと。虚構――いわゆる『無』の世界です。
藤崎が見たものはこの世界の始まりです。そして特異点の世界はその延長線上に存在しています。過去2作の主人公、シバやはる子はそれぞれにこの特異点の世界を眺めています。本作の主人公、藤崎幸大も彼自身の眺め方で特異点の世界を捉えています。それが正しいとか間違いとかの問題ではありません。それぞれの見方で見える世界が変わるということ、そしてそれぞれの見方が互いに影響するということです。
本作で『意識』というキーワードを出しました。次作はこの『意識』についてもう少し掘り下げていきたいと思います。
うだりお 表紙 電子書籍 長編小説 特異点 2069 冒疾の果て 未来 記憶実験 遺伝子操作 超人

特異点2069

~冒疾の果て編~

2022年12月 初版発行
2023年10月 第2版発行 460円

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