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この枠の向こうへ

僕を連れていってくれないか

2017年9月発行 460円
うだりお 枠 表紙 小説 ビル 囲まれた 四角い 空

物語

『Airplane takes off against the wind, not with it』

高校三年生の洋平は失声症を患っていた。

言葉を話せない洋平は、友達もおらず、学校へ行く意味も見出せない。だから、ただ一人、そんな洋平を理解してくれる大地とともに、学校をさぼり、暇を持て余す日々を送っていた。
そんなある日、洋平は高校に新しく赴任してきた臨時教員、アサクラと出会う。
アサクラの純粋で真っ直ぐな人柄に次第に魅せられていく洋平。洋平はアサクラと話したいと思うようになっていた。
一方で、村の青年団員でもある大地は、団長の徳永から村に古くから伝わる『成人の儀式』の話を聞かされる。儀式を受けて早く大人になりたい大地と、声が出ないもどかしさを抱えて生きる洋平。二人は運命の糸に引き寄せられるように成人の儀式へと向かっていくが、そこには村の一部の人間しか知らない秘密の隠し事が存在していた。
思春期の高校生達が、与えられた枠の中でもがき、葛藤し、力強く生きていく姿を描くヒューマンドラマ。

※ギャラリーにて使用される画像の著作権は各著作者に帰属します。

登場人物

海 浜辺を歩く パーカー 青年
水谷洋平

日東高校三年。小学校5年生の時に、父の故郷、日東村にやってくる。都会育ちのために、村の価値観に馴染めていない。失声症を患う。水泳が得意。怖がりで慎重。卑屈で強情。

キャップ ごつい いかつい 腰ばき
瀧大地

日東高校三年。日東村の権力者の息子。強い男に憧れている。マチズモ。日東村の青年団員。成人の儀式を受けて早く一人前の男になりたいと願っている。周到で負けず嫌い。プライドが高い。

暗い 座る 少女 髪が長い
遠野千佳

日東高校三年。月目で笑う。村の価値観に縛られながらも、そういうものだと思って生きている。アサクラとは反りが合わない。夜、ガソリンスタンドでアルバイトをしている。素直で我慢強い。

机に座る ブーツ ジーパン 女性
ミス・アサクラ

日東高校に新しく赴任してきた英語教師。前に勤務していた高校で問題を起こして退職した後、洋平と出会い、声が戻るように助けていく。生徒思いで、ポジティブ思考の自信家。イージーゴーイング。

※画像は本作品におけるイメージです。被写体と本作は関係ありません。

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作者からひとこと

描きたかったのは、日本人の持つ性や年齢に対する意識と、その背後にある型の文化です。
我慢強くて、潔くて、リーダーシップのある男。
控えめで、大らかで、愛情に満ち溢れる女。
高校生は子供、二十歳を過ぎれば大人。先輩、後輩、先生、師匠……。
型を重んじ型に当て嵌める思考は、それが行き過ぎると、変化を嫌う陰湿で閉じた世界を生み出しかねません。男だから、女だから。年上だから、年下だから。また、親だから、子供だから――。そういう固定観念を時には崩して、相手を一人の人間として認めることも大切なのではないでしょうか。
hanbai
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2017年9月発行 460円
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