皆さん、こんにちは。
冷たい空風に街路樹の葉が落ちて、外では冬の香りが濃くなってきましたが、いかがお過ごしですか?
今日は新刊のお知らせです。
昨年6月からWeb上で連載してきた小説『特異点3』が『特異点2069~冒疾の果て編~』として電子書籍にて以下のストアから発売されました。
特異点2069~冒疾の果て編~
ただ今、来年の1月10日まで399円のセール中ですので、この機会にぜひその手に取って読んでみてください。
さてここからは、皆さんに少しでも興味を持ってもらうために本作の内容を少しお話します。
本作は、今から50年後の未来が舞台です。
人口が8千万人を切り、国の借金は膨れ上がり、人々は同じ価値観を共有した幾つもの小さなグループに分断される、そういう社会が舞台です。
本作の主人公は藤崎幸大、88歳。フジサキ法を作ったとされている人物です。
特異点の世界を話すうえで欠かせないのがこのフジサキ法です。
フジサキ法は正式名称を「ヒトの遺伝子操作に関する法律」といい、ヒトの生殖細胞系列の遺伝子操作を可能とした法律です。そしてこの法律をきっかけに、企業は競い合うように人工胎生事業を拡大していきます。企業産人間と自然交配型人間、それらが共存する社会の誕生です。
藤崎は人工胎生企業の雄「Smart Genetics Japan(エスジージャパン)」の取締役です。エスジーは業界をリードする大企業で、これまで数々のGMC(Genetically manipulated child)を生産し、社会に送り出してきました。そのエスジーが秘密裏に進めているのが「超人プロジェクト」――遺伝子操作により神にもっとも近いとされる完全完璧な人間を生み出す計画――これを指揮するのが藤崎です。
藤崎の願いはこの世界に超人を誕生させることです。そして超人に民衆を、国を導かせる。なぜなら藤崎は、この国が失墜したのは愚かなリーダーと愚かな民衆のせいだと考えているからです。
藤崎はあらゆる手を使って超人を誕生させようと奮闘します。しかしその過程で頻発する不可解な停電により、自身が犯した過去の過ちを思い出し、囚われ、苛まれるようになっていきます。人生の終焉を目前にして、自分がこれまでしてきたことが自身にどっと押し寄せてくるわけです。
本作は特異点の世界がどう始まったか、言い換えれば、特異点の世界の本質に踏み込んでいます。特異点の世界の種明かしに近いですが、『本質』の詳細はまた別の物語で明かしたいと思っています。
藤崎が物語の終盤で見たものは何だったのか。
特異点シリーズを通して描写してきた『妙な記憶』とは何だったのか。
興味がわいた方は、ぜひ試し読みをしてみてくださいね。
作品概要と試し読みはこちらからどうぞ。